
私たちが新しい価値感をもつこと
そこには変えられる未来があるかもしれない


ダイヤモンド
ダイヤモンドは地中奥深くで高い圧力と高温度のもと何百万年、何十億年という長い年月をかけ生成されます。それはまさに地球が生み出す奇跡の宝石です。
ダイヤモンドの歴史は古く紀元前からその存在は認識されローマ時代にはすでに身に着けられていました。広く世間に認知されるようになったのは1475年にベルギーにてダイヤモンドのカットが始まったことがきっかけでした。
そもそもダイヤモンドの発見はインドから始まりブラジル、南アフリカ、オーストラリア、ロシアなど様々な地域で採掘されています。ダイヤモンドは限りある資源のためダイヤモンドラッシュがはじまると次第に採掘量は減り新たなエリアへと移行します。
ラボグロウンダイヤモンド
(合成ダイヤモンド)

ラボグロウンダイヤモンドは地域によりその呼称は異なり「synthetic diamond」「laboratory created」とも呼ばれます。
ラボグロウンダイヤモンドは「laboratory grown diamond」すなわち「研究所で生成されたダイヤモンド」という意味です。日本では合成ダイヤモンドと呼ばれます。ラボグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)の定義は天然石とほとんど同じ、あるいは全く同一の化学特性、物理特性、内部構造を有するものを一部あるいは全体を人工的に生産した物質とされます。ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同じく立方構造の炭素原子から成り立ち物理的な特性が同一なのです。
さらにダイヤモンド特有の視覚的な光学的特性も同一のため天然ダイヤモンドと同じく特有の輝きがあります。ただし形成する際の環境が異なるため結晶形が異なります。天然ダイヤモンドは8面体の結晶となり外側に向かい成長しますがラボグロウンダイヤモンドは8面体と立方体のふたつを併せ持つ結晶となります。またラボグロウンダイヤモンドの生成方法により結晶形が異なります。この結晶形を除けばラボグロウンダイヤモンドは化学特性、物理特性、光学特性が天然ダイヤモンドと同一なのです。


模造石
ダイヤモンドのイミテーションとしてキュービックジルコニアや合成モアサナイトが有名です。その他にも様々なものをつかってダイヤモンドの模造石がつくられてきました。それほど人々はダイヤモンドに魅了されてきたのです。しかしこれらの模造石は天然ダイヤモンドの化学特性、物理特性、光学特性が同一ではありません。そのため簡単な検査や目視でその違いを判別することが可能です。模造石はあくまで外見を真似ているだけにすぎません。
生成方法
ラボグロウンダイヤモンドは高圧高温法(HPHT)と化学蒸着法(CVD)の2通りがあります。高圧高温法は地球内部で形成される状態を機械内で再現しています。化学蒸着法は真空装置内に炭素が含まれた気体をダイヤモンドの種結晶に付着させ生成します。天然ダイヤモンドの生成期間は何百万年から数十億年かかりますがラボグロウンダイヤモンドの生成期間は数週間といわれています。さらに天然ダイヤモンドと同様に異なるクラリティやカラーを生成することが可能です。


ブラッドダイヤモンド
近年、ダイヤモンドの原石が紛争の資金源になっていることが問題となりました。それは2006年に公開された映画『ブラッド・ダイヤモンド』において広く世間に知れ渡ることになります。この作品で描かれているように各地の紛争において反政府勢力がダイヤモンドの原石を不法取引によって武器調達の資金源としています。これによりさらに内戦は長期化し激化していきます。この内戦では非人道的な行為が繰り返しおこなわれ地元住民を恐怖で支配します。大人たちは強制的に労働させられ子供たちは兵士として戦場へ送り込まれます。ブラッドダイヤモンドとは血塗られたダイヤモンドであり『紛争ダイヤモンド』とも呼ばれます。


このようなことが明るみとなり問題視されると2002年国連によってキンバリープロセス認証制度が採択されます。キンバリープロセス認証制度とはダイヤモンドの原石を輸出する際に「これは紛争ダイヤモンドではありません」と証明するものです。しかしこの制度は紛争の資金源以外の問題には一切関与しません。さらにダイヤモンドをカットしてしまえば紛争ダイヤモンドとは認められないのです。キンバリープロセスは「反政府軍による活動」と定義されているため反政府軍が政権を奪取した場合や政府軍によって虐殺や強制労働に関わり採掘した紛争ダイヤモンドであってもキンバリープロセスによって保護されます。キンバリープロセスは一定の効力と成果をあげていますが多くの課題を残す制度なのです。
そしてダイヤモンドをめぐる課題は紛争ダイヤモンドだけではありません。暴力や虐待、強制労働、児童労働、貧困、汚職、環境破壊など数々の問題に影響を与えています。

サスティナブルダイヤモンド

ラボグロウンダイヤモンドは海外セレブを中心に世界中で広がりをみせています。レオナルド・ディカプリオもその一人です。ラボグロウンダイヤモンドへ早期の段階から出資をおこない環境活動を続けています。このように環境問題に対する意識が高くラボグロウンダイヤモンドの有効性や価値観を認識している海外セレブを中心に広がりをみせています。近年ではレッドカーペットに登場する女優もラボグロウンダイヤモンドを着用しています。
なぜラボグロウンダイヤモンドがそこまで注目され世界中で広がりをみせているのか。
それはなによりラボグロウンダイヤモンドが『ダイヤモンド』であるからです。私たちはダイヤモンド特有の美しさや輝きに魅了されます。そしてそれがダイヤモンドであるといことに最も価値を感じます。模造石はダイヤモンドにとても似ていますが決してダイヤモンドではありません。ラボグロウンダイヤモンドは『ダイヤモンド』であるということが私たちにとってとても重要なのです。


しかし、それだけではありません。ラボグロウンダイヤモンドは私たちを取り巻く環境に大きく影響します。ラボグロウンダイヤモンドは研究所や工場で生成されます。そのため天然ダイヤモンドのような破壊的で大規模な採掘がおこなわれることは決してありません。そのことからも自然環境に与える影響は明らかです。さらに資源の枯渇問題です。天然のダイヤモンドは地球内部により何百万年、何十億年という長い歳月をかけて生成されたものです。このまま採掘を続けるとやがて資源は枯渇します。自然環境のなかで天然のダイヤモンドを再生するならば少なくとも今から何百万年後にダイヤモンドとして生成することになります。未来において人類が持続的にダイヤモンドを手にすることができるとすればそれはラボグロウンダイヤモンドしかありません。さらにブラッドダイヤモンドのような紛争における資金源やそれにまつわる非人道的な行為に私たちが知らずに加担することもありません。ラボグロウンダイヤモンドは人類にも自然環境にも優れたダイヤモンドである証明なのです。それが選ばれる理由です。

私たちのテクノロジーは日々進化を遂げています。
それは人類にとって大いに役立つものや自然環境に配慮したやさしいものなど様々なものがあります。
そして私たちはいつでも最良の選択が可能です。
ラボグロウンダイヤモンドは根本的な問題の解決には至りませんが
あらゆる面で優れているダイヤモンドであることには間違いありません。
私たちは新しい価値観を持つことで変えられる環境があります。

※画像は全てイメージです。